~持永木材~
持永木材では平成19年度にスギの大径材から羽柄材を効率的に製材することを目指した新工場を整備し、20年度から本格的な生産を開始した。
導入した設備はリングバーカー、ロボットツインバンドソー、ギャングソー、ツインオートテーブル丸鋸のツインリッパー、横バンドソー、耳すり機、仕分けソーターなど。ほかにヨーロッパ製の人工乾燥機2基(容量100m
3タイプ)を自己資金で整備した。
年間原木消費量は1シフトで約4万5,000m
3。最終的には2シフト体制で、年間8万~9万m
3の原木を消費することを目指す。
調達する原木は末口24㎝上の直材。長さは3mおよび4mで、3m材が全体の8割を占める。素材生産業者6社と協定を結び、すでに全体の70%以上が協定に基づく取引きで確保できるようになっている。検収は出荷者側に任せ、工場に入荷したものを速やかにラインに投入できるようにしている。
製造品目は間柱が主体で、他は筋交いなど。製品は人工乾燥を施して出荷する。新たに導入したヨーロッパ製の乾燥機は中温タイプで、インターネットを活用して現地メーカーが日常的にメンテナンスを行えるようになっている。
新工場はヨーロッパの製材工場に対抗するため、ライン設計と機械の選定に当たって徹底した省力化と高速化を目指したことが特徴。
工場の操業は1シフト6名(責任者1名を含む)体制で行い、その人員で1日に150m
3の原木を消費できるようにした。ポイントは、製材スピードを上げることと、これまでもっとも手間がかかっていた最終段階での仕分けや選別、段積みを簡素化・無人化したことで、芯持ち材と芯去り材を寸法ごとに自動で選別して桟積みしていく。これによって大幅な効率アップが実現された。
また、原木のグレーディング設備も整備。ヤング係数の高い原木はあらかじめ構造材製造ラインに振り分けることができるようになっている。
~外山木材~
外山木材では中目以上の丸太を効率的に加工するための新工場を平成20年度に整備、21年度から稼働を開始する。敷地面積は2万8,000坪。工場建屋は7,200m2(60m×120m)で、ライン管理の効率を上げるために、壁を設けないオープン型としている。
新工場の原木消費量は1日に100m
3、年間3万m
3(1シフト)。調達する原木は45~55年生程度の末口24㎝上の直材。長さは3m材と4m材の双方。素材生産業者との協定に基づく取引のほか、原木市場からも仕入れる。
製品は間柱のほか、柱や梁桁など。製材ラインは無人化されているが、原木の品質に応じた木取りを行うため、ライン投入前にスタッフが目合いを確認して角挽きにするか板挽きにするかを注文状況も踏まえて決定し、発光チョークで印を付ける。それをラインに組み込まれたセンサーが読み取って製材プロセスを管理する仕組み。
木取りについては、芯の部分から梁桁、柱などの構造材を、側板から羽柄材を製造するのが基本だが、芯がずれている原木は板挽きとし、芯の部分からは破風板を製材するというように、あくまでも原木の品質に応じた製品を製造することを徹底する。