新生産システム推進対策事業
新生産システムモデル地域・年度(平成20年度)
嶺北仁淀・東予
対象流域一覧
嶺北仁淀流域、東予流域
森林・所有者情報データベース事業運営者
高知県森林組合連合会、いしづち森林組合
担当コンサルタント
高知エコデザイン協議会
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■ 伊藤林業が間伐材生産基盤を強化
有力素材生産業者の伊藤林業(高知県吾川郡いの町)が加工事業体との協定に基づき、山元からの原木直送に取り組んでいる。
同社は昭和44年8月に創業(法人化は59年2月)。従業員数は約20名で、そのうち伐採搬出従事者が約15名、路網整備が2名、トラック運搬が4名。20年度には緑の雇用事業で3名を雇用している。
年間素材生産量は約2万m3で、そのうち約1万5,000m3が用材用で、他はパルプ材。この地域はもともと皆伐施業が主流で、最近は市況低迷や後継者難などの要因から、立木が土地込みで売りに出されるケースが急増している。同社の買い取り物件でもそうしたケースが増えていて、やむなく購入した林地の取扱いを今後どうするかが課題となっている。
新生産システムでは間伐材の生産体制を強化。スイングヤーダとフォワーダを導入したほか、19、20年度と2年連続で作業道の整備を進めた。開設距離は19年度が1,300m、20年度が2,000m。幅員は直線で3.5m、カーブで4mくらいを確保するようにしている。これは将来的に径級の大きな材を搬出しなければならなくなった時に、大型車や大型機械を活用して効率的な作業を行えるようにするため。また、恒久的に使用できるように、区間によっては谷側を石積みで補強してある。開設費は19年度が2万円強/m、20年度が1万円強/m。20年度のコストが下がっているのは、地質が多少良くなり、尾根近くで傾斜も緩くなっているため。
用材用原木の仕向け先は、やはり新生産システムのシステム事業体であるソニア(佐川町)が取り扱い量39%と最大。他は高知市内の原木市場が15%、徳島県の製材工場が13%、住友林業フォレストが18%など。すべて現場で買い手別に仕分けして出荷している。
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大型機械がスムーズに活用できる路網 |
スイングヤーダによる集材作業 |