新生産システム推進対策事業
新生産システムモデル地域・年度(平成19年度)
嶺北仁淀・東予
対象流域一覧
嶺北仁淀流域、東予流域
森林・所有者情報データベース事業運営者
高知県森林組合連合会、新居森林組合
担当コンサルタント
高知エコデザイン協議会
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(株)ソニアの製材ライン |
■ 2シフト体制で高品質人工乾燥材を生産
(株)ソニアの製材工場はもともと平成15年3月に地元森林組合の直営工場として設立されたものが母体。しかし、森林組合は16年11月に撤退を決め、以降も雇用していた森林組合職員も17年12月いっぱいで退職。18年当初から第3セクターであるソニアが完全に経営を引き継いでいる。
ソニアとしての再スタート後は、生産効率の向上と乾燥材生産の強化に力を入れて経営改善を図ってきた。18年8月からシフト増のための人員を採用し、同年11月途中から午前6時~午後4時・午後4時~午前1時の2シフト体制に移行。原木消費量は1シフト当時の60m3/日から100~110m3/日と2倍近くに増加している。樹種はスギが中心。
人工乾燥に関する取り組みについては、もともとの乾燥機1基(15年度整備)に加え、17年9月に2基、18年12月に3基を増強。タイプは高温蒸気式で、ドライングセット方式による表面割れのない安定した乾燥品質を実現している。また、18年12月にはバークボイラーも整備し、乾燥コストの縮減を図っている。
含水率については、全乾法によるデータと高周波含水率計の測定データとの連関表を作成し、高い精度で管理。人工乾燥材はすべて含水率20%以下として出荷している。
現在、月間の製品生産量は約950m3(22~23日稼働)。このうち750m3が柱及び間柱の人工乾燥材で、その他の200m3程度はグリーン材。人工乾燥材率は80%程度となっている。
売上げは17年度までは700万円/月程度に過ぎなかったが、生産量が増加し、乾燥材主体の生産に移行した現在は4,000万円/月程度をコンスタントに確保している。
今後は製造工程を綿密に管理して製品の品質向上に取り組み、販売単価を安定させて売上げを着実に確保することを目指す。さらに将来的には3シフト24時間体制への移行も検討する。
また、コンサルタントの高知エコデザイン協議会では、地域材の需要の受け皿として、無垢材の利用や高耐震性、工期短縮などにこだわった競争力の高い住宅商品を開発。山元の林業経営から素材生産、製材加工、住宅建築までを一貫体制でつなぐシステムを構築する。
なお、ソニアの素材生産部門には現在9名が勤務。平均年齢は35歳。ハーベスタ3台を擁し、間伐を中心とした素材生産作業に従事している。
作業システムは150~200m/haの高密路網と定性間伐(40~50年生で間伐率40%)の組み合わせが基本。19年は70haの施業地で7,000m3を生産する予定。1人当たりの生産量は800m3/年の計画。生産性は4m3/人日程度(作業道開設込み)。
生産した丸太は末口径14cm下の小丸太は原木市場に出荷。それ以外はすべて直営の製材工場に供給している。
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ソニアの原木消費量は1日に 100m3ほど |
乾燥の品質管理は徹底している |